Go to イート終了!?コロナ第三波を踏まえた今後のデリバリー戦略

Go to イート終了!?早くもGo to イートのオンライン予約のポイント還元が終了しました。改めてGo to イートですが、飲食企業にとっては2つの利点があります。①オンライン予約のポイント還元、②プレミアム食事券です。この2つの内、今回終了するのは①オンライン予約のポイント還元です。

意外と勘違いされている企業も多いのですが、①で終了するのはあくまでも「ポイント付与」であって「ポイント利用」は2021年の3月末まで継続した利用が可能です。ポイント還元が終了した時点において、Go to イート利用者の9割がポイント未使用というデータも出ています。そのため、今後はポイント利用を狙った集客強化が大切になってきます。

さて、上記は飲食企業にとっての取り組みですがフードデリバリーにとってはどうなのでしょうか?

改めてフードデリバリー企業にとってのGo to イートの活用は「飲食店の付加事業」なのか「フードデリバリー専門事業」なのかによって大きく異なります。

前者の場合であれば、プレミアム食事券の活用が可能です。店内飲食だけなく、テイクアウトやデリバリー、物販商品やおせちまで幅広く活用が可能になっておりおせちを筆頭とした高額商品の売れ筋が今年は例年よりも良い流れです。

逆にフードデリバリー専門企業ではGo to イートの恩恵は全くない状況です。そのため、ある種コロナ禍を追い風に如何に顧客数の最大化を狙っていくか?ここが大切になってきます。

ここからは、付加事業と専門事業それぞれのパターンで今後の戦略を考えていきたいと思います。

◎飲食店の付加事業

上述の通り、Go to イートの「プレミアム食事券」は引き続き活用が可能です。そのため、プレミアム付食事券を活用できる店という認知を徹底して行う必要があります。当初からの課題でしたが、「一体どのお店で使えるかがわからない」という顧客の不満は現在も残ったままです。

そのため、店内でのPOPやポスターなどでの既存顧客への認知活動は前提条件とし、食べログやぐるなびなどのグルメサイトでの訴求、自社サイトでの訴求など徹底して露出強化を図りましょう。

特に今回のGo to イートのオンライン予約のポイント還元事業において、該当店舗のアクセス数は右肩上がりでした。実際に普段コンサルティングでお付き合いしているご支援先でも約1.5倍くらいにアクセス数が伸びていました。

集客 = アクセス数 × 来店率

今後はGo to イートにより獲得したポイントの利用ニーズから、アクセス数はオンライン予約を継続している限り伸ばしやすいと考えられます。コロナ第三波と再度騒がれている状況下なので、テイクアウト・デリバリー情報をしっかりと載せ、プレミアム食事券の訴求を行い、自社サイトへの導線を強化する。この流れを大切にしていただければと思います。

また、第一波〜第二波にてUberEATSや出前館などのプラットフォームの利用を強化した企業は多かったと思います。その企業は是非とも「自社販路」の構築を実践していただければと思います。

そもそもフードデリバリーの事業モデルは「顧客名簿ビジネス」です。顧客生涯価値(LTV)を如何に最大化するか?顧客名簿を獲得できるからこそ、きめ細かいアフターフォローで使い続けていただくお客様を増やして儲けていく事業です。

しかし、プラットフォームに依存する限り社内に顧客名簿という資産は一切増えません。だからこそ、配達はもちろん委託しても良いので、自社販路で販売を行い顧客名簿を獲得できる仕組み作りにチャレンジしていきましょう。

◎フードデリバリー専門事業

一方宅配寿司や宅配ピザ、仕出し弁当などフードデリバリー専門事業の場合はいかがでしょうか。今回のコロナでゴーストレストランと話題になった通り1拠点多ブランド展開にチャレンジされた企業も多いと思います。

しかし改めて考えて頂きたいのが、

・1ブランドで多くの売上を稼ぐ

・たくさんのブランドで売上を稼ぐ

上記であればどちらが生産性高いか?という視点です。本来一番力を入れるべきは顧客生涯価値(LTV)の最大化です。

LTV = 平均注文単価 × 年間平均利用回数 × 平均継続年数 × 粗利率

フードデリバリーにも関わらず年間平均利用回数の最大化を狙えないブランドを持っているのは非常に効率が悪いです。

実際にゴーストレストランをいち早く開始した企業も、LTVの低いブランドをたくさん設けたことで売上の安定感が全くなく、かつ生産性が著しく低いことで収益性を悪化させています。

ここで言いたいのは、ゴーストレストランが反対ということではなく、LTVの低いブランド価値がない業態をたくさん立ち上げても意味がないということです。

LTVの高いブランドを複数展開する。そのためには商品力は前提条件とし、顧客管理も重要になってきます。

ここの両輪を今後はより強化していくことがより重要になってきます。

9月〜10月は飲食業が盛り返しを見せることで、フードデリバリーのこれまでの異常な伸び率は落ち着いていました。(それでも昨対では伸びていますが)

ところが速報値ですが、今回のコロナ第三波によって再度デリバリーが大きく伸びています。だからこそ、第二波までの戦い方ではなく、今後数年を見据えてどのような事業体にしていくか?そのためには、LTVの高いブランドを展開し、このコロナという非常事態時に顧客情報という事業資産をしっかりと獲得し、将来の事業拡大に繋げていきましょう。

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