フードデリバリーでリピート売上を高める方法

飲食店とフードデリバリーでの事業展開の違いの中で、フードデリバリーにとって最も大きな利点と言えば「顧客情報」を細かく把握できるということです。UberEATSや出前館などプラットフォームに出店して配送を委託している場合、もちろん顧客情報を得ることはできません。しかし、自社サイト・自社配達で展開を行なっている場合だと、細かな顧客情報を得ることができます。今回のコラムでは、得られた顧客情報を使ってどのように売上を高めていけば良いか?この視点で書いていきます。

えこひいきを行おう!

常連のお客様にとってフードデリバリーを注文するときにストレスになるのが、「何回も同じ事を聞かれる」これが一つ挙げられます。何回も名前を伝え、何回も同じ住所を伝え、何回も同じ支払い方法や領収書名を伝える。これはお客様の立場になると非常にストレスですよね。その為、最低限お客様の電話番号と顧客情報を紐付け、常連のお客様にとって注文することがストレスない状態に準備しておく必要があります。

また、注文を受けたときに「このお客様は累計何回目のご注文なのか」これを把握しておくと、配送時などにちょっとしたサプライズを行うことができます。「お弁当の個数分のお茶サービス」「一品系をサービス」「次回使える高単価商品の値引きサービス」など、サービス内容によって狙いは様々です。それを「実は今日○○回目だったので細やかではございますが〜」とお伝えすることによって、常連様に常連様という事を把握しているという旨を伝えることができますし、次回購入へのきっかけを作ることができます。

リピーター作りで最もやってはいけないことは、お客様の情報がいつまで経っても管理されずに毎回新規顧客のような扱いをしてしまうことです。そうならない為にも、累計利用回数を把握し、その上で何回目のお客様にどのような感動を与えられるか?この視点で1対1の対応力を高めていきましょう。

気づけば常連様がいなくなるを脱しよう!

サービス業でよくあるのが、常連様が最近も来てくれていると肌感覚で思っていても実は長い期間ご利用されていない。言い換えれば、”気づかない内に”もう来てくれない離脱のお客様になっているということが往々にしてあります。このような常連様の離脱を防止する為には、お客様の最終利用日を把握し、一体どれくらいの期間が開けばフォローしなくてはいけないのか。この基準を作りしっかりと定期的にフォローアップすることが大切になります。

この最終利用日からのフォローに関し、全顧客対応型で最低限行なっていきたいのは「①3日以内のお礼状」「②最終注文日から半年のフォロー」「③最終注文日から1年のフォロー」の3つです。

①に関しては、お客様の感動の記憶などが薄れるタイミングが3日と言われている為、それ以内にフォローするというものです。大半のフードデリバリー企業が商品を売ったら売りっぱなしで事後接客などを行いませんので、これだけで差別化につなげやすくなります。

②と③に関しては、一般的に半年と1年を超えてしまうとそこからの再注文率が大幅に悪化するというデータがあります。特に半年を超えてしまうとそれ以降のフォローはほぼほぼ空振りに終わってしまうくらい厳しい結果となります。その為、半年のタイミングで思い出し注文に繋げる。ダメだったとしても1年後のタイミングでは何とか再度使っていただく。この1年後に関してはクーポン内容をかなり魅力的にしたとしても(一時的に利益率が圧迫されるとしても)、それ以降のリピート率の変化を考えると非常に重要な対応になります。

個別対応としては、お客様のそれまでの来店頻度から「2倍〜3倍」の期間が空けば個別対応していきたいところです。例えば、必ず毎月一度ご注文くださるお客様がいらっしゃるとします。この方がもし2ヶ月〜3ヶ月ご注文ないとすれば?少し離脱の危険がありますよね。もちろん上述の通り、半年・1年のタイミングでハガキやメールなどは届くでしょう。しかし個別対応の視点で考えるならば、そのタイミングだと少し遅いとも言えます。

常連様だからこそ、なるべく1対1の対応力を高めていきたい。このような視点で見るならば、常連様それぞれの平均的な利用頻度を把握し、そこから「2倍〜3倍」の期間が空いたお客様へ、ハガキ・DM・メール・電話など、そのお客様が最も好まれる方法でフォローすることが大切になります。

常連様もいつかは離脱してしまいますが、それが潜在的なクレームであれば非常に勿体ないと言えます。また常連様だからこそ、潜在クレームがあって一度離れられたとしても、そこで改善が見られれば通常のお客様よりも再注文率は必ず高くなります。だからこそ、「気づけば常連様がいなくなっている」これを防ぐために、お客様の最終注文日の把握・平均的な利用頻度の把握。この2点を抑えて、個別フォローできるようにしていきたいですね。

利用回数別リピート率を把握しよう!

上述の「えこひいき」「離脱防止フォロー」この2つの取り組みの成果や是非をどのように判断すれば良いのでしょうか?これのわかりやすい手法として、利用回数別でのリピート率の把握方法があります。例えば、下記の図を見てください。

累計回数顧客数リピート率
1回以上5,000
2回以上1,50030%
3回以上60040%
4回以上30050%
5回以上20067%
6回以上10050%
7回以上5050%
8回以上3060%
9回以上2067%
10回以上1575%

一番左がお客様の累計での利用回数です。ポイントなのは、全てにおいて「〜以上」と書いてある点で、自ずと1回以上の顧客数が最も大きな数値となり、次に2回以上、次に3回以上・・と推移していきます。そしてその中で、「1回以上頼んだ人の内、2回以上頼んでくれる=初回→2回目利用に進む」の数値を見てみると、上記であれば30%(=1,500 / 3,000人)となります。同じように、「2回目利用→3回目利用」「3回目利用→4回目利用」といった具合に、利用回数別での自社のリピート率を把握することができます。

一般的に、フードデリバリーにおいて「1回目→2回目」のリピート率は30%と言われています。この視点でみると、上記の数値であれば一般的な数値になりますし、もしそれを下回っている場合、「商品力が低い」「接客力が低い」と捉え、競合比較しながら抜本的に自分たちのサービスを見直す必要が出てきます。

また利用回数別でリピート率が把握できるからこそ、「大体何回目で飽きられているのか?」これの把握も可能となります。よくあるのが、3回目までのリピート率は高いにも関わらず、それ以降がなぜか弱い。このようなフードデリバリー企業もよく見かけます。このパターンであり得るのが、名物商品の満足度が高く、短期間で一気にご注文をしてくださる。しかし、名物商品以外の選択肢が弱く、結果的に飽きられてしまい利用頻度が悪化、もしくは離脱に繋がるというものです。

このような「飽き」が見受けられる利用回数別リピート率が出たときには、商品のストーリーを構築する必要があります。例えばですが、「初回のお客様にはパンチのある名物を楽しんでいただく。そして次には、定番だけど圧倒的に美味しいBを食べていただき・・」このように楽しんでいただくストーリーを利用回数別に描き、常に頼む楽しさを作っておく必要があります。

まとめ

フードデリバリーは顧客情報を細かく把握できる分、良くも悪くも自分たちのサービスがどの程度支持されているか?を把握できます。だからこそ、「美味しければ良いよね」という発想ではなく、どのようにして召し上がって頂いた後の接客、いわゆる事後接客まで高めていくか。この視点をもちながら事業展開していきたいところです。

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